実名でやり始めました。引き続き宜しくお願い致します。
総論賛成、各論反対、現実困難。僕はTPP参加表明することを支持をします。また、ブログ復帰することになりましたので、僕の意見はこれから追って述べたいと思います。
更新をしていない間、自分の置かれている立場や職責等との兼ね合いから葛藤が大変長く続きました。しかし、ブログ再開します。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
「日本は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)へ参加した方がいい?」
http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/143/detail.html
僕も一応やってみました。金融・サービス・労働などの他の関連項目は抜きにして、「農業」問題一本で、判断しました。もちろん、「参加した方がいい」で。細かいことは来週以降とさせて頂くとして、根本的なところとしては、
・消費者利益
となるからです。関税等の国境措置が撤廃され、安価な輸入食品が日本に入ることによる消費者の経済的メリットは当然のことながら、日本はどうしても、「農家のための農業」というのがどこかにありました。安価な輸入食品とかは関係なく、国内消費者の利益を徹底的に追求する農産業を日本国内でも構築すべきである、という僕の意見です。そのトリガーは何でも良く、それが今のタイミングではTPPしかないということです。
総理がどのようなご見解か、またどこまでの見識かは全く分かりませんが、TPPに参加表明をし、交渉グループに入ったら、それが将来的に実行するしないに関わらず、歴代名総理誕生の予感です。総理はいま、是非はともかく、歴代の総理が誰もできなかったアンタッチャブルなゾーンに踏み込んでいますからね。
支持政党は「特になし」にしました。
石川 幸一「
http://www.iti.or.jp/kikan81/81ishikawa.pdf
昨年末以降、TPPに関する話題は尽きないですが、最もバイアスが入っていなく、事実ベースで検証している報告書が唯一、石川幸一氏の「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の概要と意義」となっています。僕もだいぶ勉強になりました(結論の深さには感服致しました)。一方、今朝から始まった日経のTPPに関する特集記事は偏向が入り過ぎてて読みたくもありませんでした。
・環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership
・TPP は、例外品目がなく 100%自由化を実現する質の高い FTA である。物品の貿易、サービス貿易、政府調達、知的財産権、協力など投資を除く幅広い分野を対象とする包括的な FTA であり、労働と環境も補完協定として協力が規定されている。
この二点のみが決まっている事実でして、参加国が増えたときのフレームワークについては一切決まっていません。但し、ここが一番納得いかないのですが、TPPに参加する条件として「例外品目を設けず、100%の自由化を行うこと」、これが前提条件となっていまして、そりゃ、四カ国の現状だと可能ですけど、日本には到底無理だな・・と思う一方、そもそも論「例外品目を設けず、100%の自由化を行うこと」必要性がどこにも見られません。謎です。しかも、それを東アジアで実行するならともかく、米国を除いて余り縁のない国々とその協定を結ぶ意味も・・。水準が高い(≒自由化される品目が多い)FTAを結べば良いという訳でもなく、WTO/GATTの協定上、FTAは貿易量の約90%の自由化を行えば締結できるわけで、100%にする理由がどこにも見当たりません。そりゃ農業団体も怒りますよ・・。
ここからは勝手な推測なんですが、TPPが実現された場合、恐らく「例外品目」は設けられるでしょう。100%の自由化に反対しているのは日本だけじゃありません。米国内部でも問題になっています。ただ、その例外品目を今後の交渉過程で盛り込むためには、「例外品目を設けず、100%の自由化を行うこと」を事前に宣言する必要があり、踏み絵を踏まされている状態です。最終的には、
・日本が参加しない状態で、「例外品目を設けた、自由化を行う」TPPが多国間で実行されるリスク
・日本が参加した状態で、「例外品目を設けず、100%の自由化を行う」TPPが多国間で実行されるリスク
この二つのリスクを天秤にかけるんだと思います。
前者に発生するリスクは、
・多国間で決まったルールを一方的に飲むリスク
後者に発生するリスクは、
・交渉過程で「例外品目の設置」に失敗するリスク
です。
一番リスクが少なく、理想的なのは、
・日本が参加した状態で、「例外品目を設けた自由化を行う」TPPが多国間で実行されるリスク
これなんだと思いますが、それをするためには最も厳しい踏み絵を踏まないとなりません。踏み絵を踏んで、「例外品目を設けた自由化を行う」TPPのフレームワークの構築に積極的に関与するか、踏み絵を踏まず、ただ決まったTPPの新しいフレームワークを米国の要求通りに飲むか。後者だと、TPPが成立しなかったときに「踏み絵を踏まなかった」ことが結果、「良かった」となるんですが、「踏み絵を踏まなかった」ことが「良し」とされるのは一瞬だけでして、結局、農政改革先送りのまま、状況は以前よりも悪化します。これについては僕の意見は特になく・・。
「農業参入者に補助金 若返り狙い、農水省検討」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/482159/
久しぶりに「カネの使い方、間違ってるでしょ!」と思いました。農業参入者にお金を与えても形になるまで異常な年月を要します。だとしたら、今いる若手の農業者にお金を投入すべきでしょう。
TPPについては自民党も対案を出して来ませんし、今後どうなるか本当に分かりませんが、都市部選出の総理ではなく、地方選出の総理がまずは地元の農業団体を巻き込んで説得し、味方につけたうえで、強烈なリーダーシップのもと舵を切っていかない限り、成立しないんじゃないかと思っています。東京選出の先生だと産地訪問は千葉ぐらいにしか行きませんので・・。
四国辺りの中山間地域でTPPの必要性を総理が直接農家に訴える、そのぐらいのイベントがあってもいいかと思っています。
皆様
謹賀新年。農業時代の到来です。と、同時に一年半振りの更新となり、本当に申し訳ございません。そして、もう一つお詫びがあります。今後の更新作業が極めて困難になりました。
一昨年の衆院選以降、歴史的な政権交代は僕の実務上においても幾つかの影響がありました。真っ先に来たのは事業仕分け。僕が一部関わる事業がその仕分対象になってしまい、省内戦争状態でした。そして、出入り業者の一社として、事業仕訳け当日は事務所待機命令、会社の電話と携帯がバンバン鳴り、当日の会議に提出する資料作成及びデータの裏付け等の作業があり、この日だけは省に忠誠を誓いました。「喜多川さん、以前、提出して貰った資料の裏付けは出ますでしょうか?」「大丈夫です。ちなみに、締切は?」「15分後です」「了解致しました。準備致します」、省に出入りして数年経ちますが、15分後が締切なんて初めてのことです。それだけ戦争状態でした。勿論、全面協力です。最終的には担当官より「喜多川さん、これで作業終了です。これから会議に出てきます。あとは事業仕分けをオンラインで聞いてて下さい」と。
僕は約40分間、一度も気を緩めることなく聞いておりました。結果、「日本の農業発展のために必要な事業であるが、民業圧迫等があるため、一部減額」と、省内は安堵の声。一方の僕は憤慨の声。事業仕訳けに関する批判が二次仕分以降から頻繁に出てきましたが、僕は声を高々にして言いたい、「フザケンナ」と。理由は二つです。まず憤りが少ないほうから行くと、事業の評価がたった40分ってできるのか?という根本的な話。専門的見聞がある方が十分審議した結果であったなら僕は国民としても一事業者としても充分に納得が行きました。結局、専門的知見が足りていないので、叩きやすい箇所を勝手に抽出して批判するのみ。まさに木を見て森を見ずの状態。
そして、最も僕が憤ったのは別のところ。TVを見ると、蓮舫先生等が発言をされて、採決を取っていましたが、実は違うんですよ。確かに発言はしているのですが、評価の流れを作るのは国会議員ではなく、事業仕分人。採決を取るのが国会議員なんです。仕分人の発言が全体の約八割、固有名詞を出すと大問題になりそうなので控えますが、「事業仕分人って誰ですか?どういったプロセスを経て事業仕分人になったんですか?彼らの発言権はどこにあるんですか?」と。国民が選挙で選んだ国会議員が評価するなら仕方ない部分もありますが、誰だか分からない仕分人に気ままに評価され、残念な気持ちで一杯でした。結局、民主党政権が発足する前からコバンザメのように付いていた方々ようで、立派な発言権があるようです。専門的知見がないのは当然のこと、勢いで相手を潰すというやり方で仕訳をリードするもんですから、呆れてモノが言えないです。本気で憤った僕は、その後、政府民主党のほうに個別ルートで文句を言いに行きました。「まず、仕分人の選定プロセスを明確化して下さい。あんな(って言ったら失礼ですが)方々に適当な評価をされ、命をかけて国のために事業をしている我々を本当にやってられないです」と。事業仕分は第一回目から間違っていました。
これが2009年の出来事でした。今度は2010年初頭から省の事業を評価する第三者有識者になり、暫く評議員を務めておりました。それは単なる序章に過ぎず、2010年春から極めて重要な国家事業を任せるようになり(史上最年少抜擢のようです)、以降、どこからが機密でどこからが一般公開していいのかの線引きが全く出来ず、これがブログを更新できない理由になっています。
特に、昨年末のTPPについては、このブログで是非とも内容を伝えたかったんですが、TPPの検証と国の農業改革については僕も直接的間接的に関与しているため、どうしても触れることができませんでした。ただ、国の重要な事業を任されているからと言って、僕のスタンスが変わったり、迎合しているということは一切ありません。このブログで展開してきていた通りの意見で今もやっています。ただ、もう外部の単なる評論家ではなくなり、一つ一つの言葉や検証結果によって、国内の農業市場が大きく変わる立場になりましたので、これは良いことなんでしょうか?責任ある立場で国の将来を見ることができるのは本当に幸せです。
TPPについては色々な議論がありましたが、僕は「TPPは成立しない」という結論が出ております。「すべき」「すべきじゃない」という議論だったら、僕は「すべき」だと答えています。基本的には多くの方が「TPPに参加すべき」だと思っているかと思います。一方、現実的な観点から伝えると、現状の日本が「例外品目を置かず100%の関税撤廃」なんて「実行」できるわけがない、という意見です。WTO「ドーハ・ラウンド」、また域内におけるFTA/EPAでは、一つたりとも農産品の自由化を行えていません。90%が限界です。その国がいきなり全ての物品の関税がゼロになることを参加条件となるTPPに関与できるわけがない、と。もう評論家じゃないですから、現実的な観点から判断しています。だからと言って、農業自由化が先延ばしされるわけでもありません。今回のTPPの件以降、農業自由化に向けての本格的な改革が始まることになるでしょう。もう「待ったなし」の状況です。
別件、これは完全に民間の話なので大丈夫だと思いますが、昨年10月にロンドン出張に行ってきました。食品流通に関する国際サミットへの参加で、特に今回は国際標準となっている食品流通の規格が数年ぶりの大幅改訂になるそのプレスを含んだ会議でして、300ページにも及ぶ分厚い英文規格書の1ページ目を見ると、な、何と僕が代表者を務めている会社名が「謝辞」として載っているじゃないですか!?世界で30社弱のなかの一社となり、改訂作業に協力した会社として載っておりました。勿論、僕は「チーム日本」の一社として、改定案に対する評価と、日本へのハーモナイゼーション、改定案に日本案を入れ込む作業をしておりましたので、チーム日本一同、喜んでいました。日本案がかなり採用されたところを見ると、結局、「攻め」ないとダメなんだなーと痛感したところでもありました。サミットがたまたまロンドンでやっただけで、僕はホテルから一歩も外に出ることなく、三泊で帰国してきました。未だに自分がロンドンのどこに行ったかすら分かっていません(笑)。ま、こんなもんでしょ。
2011年、農業時代の到来です。更新頻度は一気に減るかと思いますが、陰ながら応援をして頂ければと思います。公式な立場でイザに出る機会もあるかもしれません。そんときは「おっ、喜多川くんだな」と思って頂ければと思います。今年も皆様にとって良い年になることを祈願して、本日は失礼させて頂ければと思います。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
民主党の農政マニフェストにも盛り込まれている、食の安全に関する規格(GAP、適正農業規範)に関するエントリに行く前に、予想以上に民主党の「日米FTA締結」と「戸別所得補填制度」に関する議論がなされているので、それらをご紹介しながら、対案すら出してこない自民党側の動きを検証したいと思います。
農業を保護して日本経済を滅ぼす民主党(ニューズウィーク日本版)
http://newsweekjapan.jp/column/ikeda/2009/08/post-46.php
何とかしてくれ、民主党農業政策のパラノイア現象!!!!(Sasayama’s Weblog)
http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=1095
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/acc256f8fbdfb4916ebf1b82ab2af492
いずれも「農業自由化」という大義名分を失った「戸別所得補填制度」は「ばらまき」の要素が出てきており、笹山氏のブログにおいては、農畜産物の除外を日米FTAで行った場合、では、農畜産物の自由化に関する議論はWTOに移行するのかという鋭い指摘と(民主党はWTO「ドーハラウンド」における農業自由化には反対の姿勢)、池田氏のブログにおいては、農業自由化でもたらす「消費者メリット」がないのであれば、「戸別所得補填制度」は「ばらまき」になり、また、WTOの農業自由化交渉で日本が「抵抗勢力」になっている状況を打破する力が民主党にはないのではというまさにこれぞ真贋という指摘をなされています。
ここで改めて喜多川のスタンスですが、僕はWTO「ドーハラウンド」と東アジアのFTA/EPA、そして日本の農業政策をマクロな観点で洗い続けてもう七年目ほど、農業自由化は「する」「しない」「できる」「できない」の二極化ではなく、「避けては通れない道」であるということ、また、日本の農業市場の底上げの手法は「国際競争に晒すこと」、これ以外にないと思っているため、基本的には農業自由化には賛成、但し、長年保護化してきた市場をいきなり開放するというのは多くの混乱をもたらすため、その経過処置の手法として「戸別所得補填制度」の導入には賛成でした。ただ、「農業自由化」という大義名分を失った昨今、「戸別所得補填制度」については懐疑的にいます。
そこでその民主党を批判している自民党ですが、まともなマニフェストが全く上がってこないので、2007年参院選時のマニフェストを確認したいと思います。
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2007_seisaku/nogyo/pdf/nogyo_c.pdf
WTOや日豪FTAなどの農業交渉では、多様な農業の共存を基本理念に、重要品目の確保、上限関税の導入阻止に全力投球
もともとは日豪FTAや日米FTAの締結は自民党の政策であったわけで、更に、FTAを締結するが「農産品は除外する」というのも、自民党の主張でした。民主党の「ブーメラン」に期待しているのでしょうか?批判するのは仕方ないですが、では、2007年の参院選時に帰って、自民党はどのようなスタンスにいたのかを明確に打ち出すべきです。今まで官僚に頼り過ぎてきたせいか、今の自民党には政策立案能力すら欠けていると思います。
詳細はここに記載していますが、
日本はASEAN+6で生き残れるか?①
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/274981/
WTO「ドーハラウンド」での交渉停滞を受けて、ASEAN+3(中国、韓国、日本)で進めてきた地域経済協定、東アジア共同体に、突如としてインドとオーストラリアが入ってきました。日本としては、域内における中国の力を何としてでも抑えたいために、当時の安部政権がインドとのEPAを急いで締結し、日豪EPAについても経済産業省主導で交渉のテーブルについています。域内FTAの場をASEAN+3からASEAN+6(中国、韓国、日本、ニュージーランド、オーストラリア、インド)に移行して、重い十字架を背負ったのも当時の自民党政権でした。当然ですね。ASEAN+6をベースにした場合、APEC主導になり、それは米国主導にも繋がるためです。日本は域内の農業自由化については、中国のみならず、オーストラリア、米国、インドという農業大国に睨まれて、完全に麻痺している状態です。
自民党「政策BANK」
http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/pdf/2009_bank.pdf
「食料自給率50%を目指し」だけでは、日本の農業をどうしたいのかの「ビジョン」が全く伝わってこないです。とある勉強会で民主党ネクスト農水相筒井氏の話を聞く機会を貰いましたが、開口一番「民主党としては隠すことは何もない!この講演内容は一般公開でいい!」と、(今の状況は無視して)素直に素晴らしいと思いました。そういった党の姿勢があるからこそ、これだけの議論を生んでるわけで。当然のこと、公平性を保つため、自民党の農業政策を聞く機会も頂戴しました。最初から最後まで「農水省での実行予算」の話でした。自民党として「どうしたいのか」、僕はこれが聞きたいんです。(お互い様ですが)対峙する党の批判や、政策立案を農水省の官僚任せするのはもう止めにして・・。
次回より、「食の安全制度の国際規格」に内容を変えて臨みます。引き続き宜しくお願いします。
2007年の参院選で大議論を生んだ「戸別所得補填制度」と同じく、今回は、「日米FTA締結」が農政マニフェストの格好の議論対象になりそうな気配が漂っていますね。
喜多川の「日米FTA締結」に対するスタンスですが、基本的には「日米FTA締結の優先順位は東アジア内におけるFTA/EPAを超えるものではない」、「GATT24条の『実質上全ての貿易』からコメを外して、例外品目扱いにすることで、コメの関税を引き下げないFTAの締結は理論上可能ではあるが、韓米FTAでもそうであったように、センシティブ項目としてコメを自由化から除外した場合、他の農産品でより強い自由化を求められる可能性がある」、この二点に付き、「反対」の立場にいます。
あくまでも農業の自由化はWTO「ドーハ・ラウンド」で進めるべき事項であり、さもなければ、東アジア共同体の構築を目指すため、地域経済内のFTA/EPAで議論されるべきだと思っています。特に後者においては、民主党の農政マニフェストから域内FTAに関する記載項目がないため、日米FTA締結の話が出る前に、徹底的に議論すべき内容だったと思います。未だになぜ、このタイミングで日米FTAの話が出てきたのか、正直分かりません。
さて、このような状況下、もう一度「戸別所得補填制度」を検証する必要があり、2007年の参院選による民主党の大勝後にエントリさせて頂いた
民主党「戸別所得補填制度」は「ばらまき」ではない
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/254832/
と内容が大幅に被ることがあるかと思いますが、その点につき予めご了承下さい。
戸別所得補填制度とは?
①米、麦、大豆等販売価格が生産費を下回る農産物を対象に、食料自給率目標を前提に策定された「生産数量目標」に即した生産を行った販売農業者に対して、生産を要する費用と販売価格との差額を基本とする交付金を交付する。
②交付金の交付に当たっては、品質、流通・加工への取組、経営規模の拡大、環境の保全に質する度合い、主食用の米に代わる農産物(米粉用、飼料用、バイオ燃料用の米を含む)の生産の要素を加味して算定する。
これは2008年12月24日付、民主党「次の内閣」閣議で策定された民主党農林水産政策大綱「農山漁村6次産業化ビジョン(~農林漁業・農山漁村の再生に向けて~)」から引用しているもので、2007年参院選の党の公約であった受給対象者を「全販売農家」とするから、政治的により一歩踏み込んだ現実的な政策です。受給対象者を絞ったうえで、今回の衆院選に臨んでいるようです。
当時、喜多川が「戸別所得補填制度は『ばらまき』ではない」と結論付けた背景として、当時の民主党の農政マニフェストが農業自由化のセイフティネットとして戸別所得補填制度の導入を検討したためであり、当然のこと、農業自由化においては、下に記述する明確な二つの消費者メリットがあるため、「ばらまき」とは言えません。
消費者にとっての経済的メリット
今現在、日本政府は国境措置として輸入する多くの農産物に関税をかけています。つまりは、政府による価格規制が行われているため、国際的な市場適正価格よりも+α上乗せされたお金を消費者は気付かないで支払っている状態です。それが形の見えない「税金」となっており、間接的な消費者負担となっています。これが輸入解禁を行うことで、消費者のもとに安価な農産物が入ってき、それが直接的な経済的メリットとなります。同様、関税措置を撤廃することで、政府による価格規制が解かれ、国内農産物の販売価格も市場価格に合わせて下落することが想定され、それもまた消費者にとって経済的メリットとなります。
消費者にとっての商品選択肢拡大のメリット
安価な農産物が輸入されることで、今度は消費者には国内農産物も含めて、商品を選択できるという別の新たなメリットが生まれます。今現在の保護政策下では、購買対象商品は例外品目を除いて国内農産物に限定されており(コメが代表例)、消費者にとって商品の選択は値段の高い国内農産物のみとなり、これが今現時点では、間接的な消費者負担となっています。
農業自由化と戸別所得補填制度
農業自由化は、この二つの明確な消費者メリットを生むため、その担保となる戸別所得補填制度は「ばらまき」ではないです。しかしながら、状況が大きく変わったのは、民主党が農業市場保護化論を唱え始めてからです。財源を一兆円とする戸別所得補填制度は、あくまでも生産を要する費用と販売価格との差額を基本とする交付金であるため、市場価格の下落がより見込まれる農業市場自由化のケースと、天候不作や減反廃止など市場価格の下落(この下げ幅は農業自由化よりも少ないと想定されます)が見込まれる単なる一時処置的なケースとでは大きく環境は変わります。財源一兆円は変わらないため、明確な消費者メリットを享受しないまま、戸別所得補填制度の導入が行われる可能性が出てきました。
関税などの国境措置から、市場を開放したうえで「戸別所得補填制度」の導入を行ったほうが市場の原理が働きやすく、将来の農業の強化にも繋がります。何故なら、国境措置においては消費者が見えない形で支払っている間接的な税金の負担総額と、戸別所得補填制度での財源一兆円が仮にも同じであったとしても、戸別所得補填制度に全面移行をして、受給対象者を年次絞っていく(その評価軸は「規模加算」「品質加算」「環境加算」など)ことで、需給調整ができ、それが市場の底上げに繋がるからです。
2007年参院選時点での「戸別所得補填制度」は理念もあり、また農業自由化という産業界全体の「現実」を受け止めながら、国内農業市場を強くしていく、数少ない施策であり、十分に評価できるものでした。状況が大きく変わったのは、2008年7月に行われた「ドーハラウンド」の閣僚会合だと聞いています。
WTO農業交渉、これでは国益が守られない
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/654006/
重要品目数は4%、日本、窮地に立たされる
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/656560/
塗り替えられる世界地図、変わらない日本地図
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/666154/
農産品の輸入急増時に発展途上国が発動する緊急輸入制限(セーフガード)措置の発動条件などを巡る米国と中印との対立により、「ドーハラウンド」は合意目前で決裂したのですが、米国が補助金で、欧州が関税削減率で譲歩し、また、日本にとって最大の争点だった重要品目数が全体の「4-6%」で落ち着き、2008年内合意に向けてラストスパートのところで、ひっくり返ったのが先の閣僚会合でした。
これ以来、民主党内では「無差別な農業自由化には反対する」という「農業市場自由化論」が消え、しかしながら、「戸別所得補填制度」は農政マニフェストの「切り札」として消えず、そこから多くの矛盾とブレが始まっています。更に、今回、突如として湧いて出た「日米FTA」。幾らコメの関税を引き下げないと言えども、現実的にはコメの市場開放を迫ってくるのは明らかですし、仮にコメを守った場合においても、その代償が余りにも大きすぎます。
それよりも批判すべきなのは、無策な自民党でしょうか。まともな農政マニフェストが全く上がってきません・・。
http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/pdf/2009_yakusoku_a.pdf
http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/pdf/2009_bank.pdf
とてもじゃないけど、検証するに値しないほど、内容の薄いものとなっているので、「次」が来るのを待ちたいと思います。
さて、民主党の農政マニフェスト、前回は「戸別所得補填制度」を中心とした民主党の「ブレ」に言及させて頂きましたが、今回は、日米FTAの検証を行いたいと思います。
日本はASEAN+6で生き残れるか?②
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/277777/
にも書かせて頂きましたが、改めてFTA/EPAに関するご説明をしたいと思います。
自由貿易協定(FTA)とは?
特定の国や地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁などを削減・撤廃する協定であり、主に、
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を目的としています。この自由貿易協定はWTOのGATT24条およびGATS5条に法的根拠を持っていることから、「RTA(地域貿易協定)はWTOを補完するもの」として、「ドーハ・ラウンド」を飛び越え、WTO参加国のFTA締結加速を許すこととなっています。
経済連携協定(EPA)とは?
自由貿易協定を柱に、ヒト、モノ、カネの移動の自由化、円滑化を図り、幅広い経済関係の強化を図る協定であり、主に、
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などを目的としています。つまりは、自由貿易協定+αが経済連携協定となり、このαの部分が相手国の環境に合わせた非貿易分野となります。日本政府は既に、メキシコ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、チリ、タイ、ブルネイ、インドネシアとEPAを締結済みであり、そのうち、メキシコ、シンガポール、マレーシアが発効済みです。また、いま現在交渉中の相手として、韓国、ASEAN、ベトナム、オーストラリア、インドが挙げられます。
このようにFTAはWTO/GATT第24条に記されている条件を満たしたうえで、WTOの原理となる最恵国待遇(MFN条項)が免除されることで、FTAの締結となり、その条件は幾つかありますが、少なくとも「実質上全ての貿易(substantially all the trade)」を二国間内で自由化を図る必要性があります。その「実質上全ての貿易」は、現段階では決定的な判例が出ていませんが、一般的に、総貿易量の90~95%とされており、残りの5~10%を特別処置として、一部の農産品の関税を下げないことは理論上可能となります。
※カリフォルニア米を食べなければいいだけだ!というネットの意見もありますが、米国では所謂「ジャポニカ米」として、短粒種のコメの生産が大量に行われているので、米国産ジャポニカ米は普通に美味しいです。ちなみに、喜多川も大好きです。
「コメの関税下げない 民主・菅氏、日米FTAで強調」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/283856/
「コメの関税を下げない」日米FTAの締結は可能です。コメを例外品目扱いにし、「実質上全ての貿易」から外すことで可能となります。現に、お隣韓国ではコメの自由化をしない米韓FTAの締結が行われ、且つ、農業市場開放の準備のための戸別所得補填制度の導入が検討されています。
「韓国、農業分野に2.6兆円投融資・米韓FTA締結で支援策」
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M0602E%2006112007&g=G1&d=20071106
韓国政府は6日、米韓自由貿易協定(FTA)締結による国内農業への影響を緩和するため、総合的な支援策を発表した。来年から10年間で20兆4000億ウォン(約2兆5800億円)を投融資する財政支援と農家への所得補てん、農産物のブランド化推進が柱。国産農産物の競争力を高め、輸入品の急増に耐えられる農業経営への転換を促す。
支援策では、専業農家と農業法人を農業の主な担い手として重点支援する方針を明確に打ち出した。農業以外の所得が大半の兼業農家は対象から除外する。大規模経営による競争力の高い農業への転換を促す狙いで、経営規模拡大を目指す農家には、農地取得に伴う税負担の減免措置も講じる。
投融資制度は後継者育成や設備の近代化、技術開発、海外市場開拓などに必要な資金を供給する。所得補てんも専業農家が対象。災害や市況悪化などで年収が一定基準を下回った場合、差額の一部を補てんする。専業農家の収入を安定させ、担い手を増やす狙いだ。2010年に試験導入し、12年から本格的に始める方針。
韓国は米韓FTAでコメの輸入規制を死守した見返りに多くの農産物で関税撤廃に合意したようで、韓国政府が農家に対して提供するセイフティ・ネットです。「農業以外の所得が大半の兼業農家は対象から除外する」という、政治的にも一歩踏み込んだ政策となります。
「民主党の政権政策Manifesto2009」
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
詳しくは、
日本はASEAN+6で生き残れるか?
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/tag/2075/
の東アジア共同体シリーズをご覧になって下さい。しかしながら、民主党の外交政策として重要視されるべきは東アジア内のFTA/EPAであり、日豪FTAや日米FTAではないはずです。
共に世界を代表する農産品の輸出国家で、この二国との貿易の完全自由化は、確実に日本の農家の経営に大打撃を与えることになるかと思います。しかしながら、前者においては、未だ米国とのFTA含む経済連携協定の交渉のテーブルにすら付いておらず、従って、この日米経済連携協定の実現可能性は現段階では限りなくゼロに近い状態です。
また、後者においては、東アジアの自由貿易協定網の構築において、ASEAN+3(中国、韓国、日本)の合計13ヶ国で東アジア共同体を構築して行こうというコンセンサスが内部で採られており、APECは重要視しないという流れになっています。従って、日豪での経済連携協定が仮にも締結されたとしても、GATT24条の「実質上全ての貿易」をカバーしているFTAであれば効力が発動されますので、地域外、且つ先進国とのFTAにおいて、その農業市場を100%開放する必要は全くありません。
しかし、なぜ、このタイミングで日米FTA締結を示唆するのか、その必要性が全く分かりません。経団連からの圧力でしょうか?FTAの発効の条件となるGATT24条「実質上全ての貿易」については、コメなどの一部の農産品は自由化から除外できるものの、当然のこと、コメを保護化するのであれば、それ以外の多くの農産品の自由化を求めてくるのは必至です。これはお隣韓国でもそうでした。
民主党が農業自由化に賛成をし、アメ(戸別所得補填制度)とムチ(日米FTAを含む農業自由化)でもって国内の農業政策を実施するのであればある一定の理解はできますが、WTO/FTAによる農業自由化には賛成をしない、更に、日米FTAは締結する(コメは除外)、しかしながら、戸別所得補填制度も導入するというのは、かなり理解に苦しみます。
民主党はただ単に「戸別所得補填制度」を集票マシーンとして導入するのか、それとも農業市場の自由化という産業界全体の「現実」を踏まえた上で、農政の抜本的改革に乗り出すのか。現時点ではどうも前者に映ってしまう民主党の農政マニフェストです。
次回は、全くもって独自色のない「自民党の農政マニフェスト」の検証を、霞が関との関係含めて行いたいと思います。
引き続き宜しくお願い申し上げます。
皆様
だいぶ更新作業怠りました。そして、もうこんな季節がやって参りました。8/18公示、8/30投開票の衆議院選挙、日本で初めて「政権政党」を有権者の一票で決めることのできる、二大政党政治体制のなかでの国政選挙となります。
喜多川は日本の大学を2002年に卒業して、そのまま渡米しました。米国の大学院での専攻は国際関係学、なかでも専門をWTOを中心とする国際貿易論、FTAを中心とする地域経済論、そして、日本の農業政策論に置きました。今現在、対象を欧州、中東、ロシアとする生鮮農産物の流通会社をこじんまり、営んでいます。たまに農林水産省で講演させて頂いております。
市場が近い将来、間違いなくグローバル化を迎えるなか、先の参院選においては、
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/tag/3086/
自民党と民主党の農政マニフェストの比較検証を10回シリーズで行い、最終的には、
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/225096/
民主党を支持致しました。その理由としては以下の二つです。
・戸別所得補填制度は農業自由化におけるセイフティネットになること
・農業自由化という産業界全体の「現実」を正しく受け止めていること
特に自民党のマニフェストにあった「守るべきは守る」という農業市場保護化論は時代の流れに即していないことなどから、既得権益側として批判をさせて頂きました。また、民主党の掲げる戸別所得補填制度については、財源が見えないこと、また、給付対象を「全販売農家」とする点につき、問題点があるものの、関税を下げることで、市場を開放し、生産側の収入が減った分を国庫で補うという直接支払制度は国際的見地においては一般的な補助政策なので、十分な制度理解が必要であるという条件の下、支持致しました。
民主党「戸別所得補填制度」は「ばらまき」ではない
http://agriculture.iza.ne.jp/blog/entry/254832/
しかしながら、状況は大きく変わっています。自民党は農政マニフェストがまだ上がってこないことなどから、まずは民主党の農政マニフェストを確認したいと思います。
「民主党の政権政策Manifesto2009」
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
PDFファイル、7/13に記されている「地域を再生させる政策」のなかに
・「戸別所得補填制度」の創設により、農業を再生し、食料自給率を向上させます
とありますが、「何のための」戸別所得補填制度なのかが明記されておりません。
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2007/pdf/manifesto_2007.pdf
これは2007年の参院選での農政マニフェストなのですが、PDFファイル、14/16に記されている
農産物の国内生産の維持と拡大、世界貿易機関(WTO)における貿易自由化協議及び各国との自由貿易協定(FTA)締結の促進を両立させます。そのため、国民生活に必要な食料を生産し、なおかつ農村環境を維持しながら農業経営が成り立つよう「戸別所得補填制度」を創設します。
が、今回のマニフェストから削除されています。これについては民主党のネクスト農水大臣である筒井信隆衆議院議員に内容を確認しましたが、「民主党としては無差別な農業自由化には反対する」という参院選のマニフェストとは180度異なる農業市場保護化論を有り難く頂きました(勉強会でお会いしたのですが、その内容は公開して良いとのこと)。更には、「WTOの原理原則まで見直す必要がある!」と強気で仰っていたのですが、WTOの原理原則はドーハラウンドが立ち上がった2001年から変わっていないため、「先生、今更、そんなこと言わないで下さい・・」と思いっきり嘆いてみましたが。
これと同じくして、民主党は「日米FTAの締結」をマニフェストに盛り込んでいるようです。
「コメの関税下げない 民主・菅氏、日米FTAで強調」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/283856/
案の定、地域経済上あまり重要視されない日米FTA締結で、一番の損害を受けると思われる既得権益側が反対の意思表示をしております(そもそも日本の国益を考えた場合、日米FTAを締結する優先順位はかなり低いと思われます)。
「農業9団体が民主マニフェストに抗議声明」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/284712/
そして、どちらかと言うと日米FTAに前向きだった自民党側からも非難の声が上がっています。
自民農林族「米とFTAで国内農業崩壊」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/283473/
菅氏は、予想される米国からの市場開放圧力に関し「交渉でいろいろ言ってくるかもしれないが、民主党としては関税を下げる考えはない」と強調しているようですが(「コメの関税下げない 民主・菅氏、日米FTAで強調」の記事から引用)、それでは一体、何のための「戸別所得補填制度」なのでしょうか?純粋に減反廃止対策だけなのでしょうか・・。
民主党の政権交代が近づくなかで、「現実的」になってきた証拠なのか、ブレ始めています。自民党の農政マニフェストが上がってき次第、そちらの検証開始を行いますが、当面は民主党の戸別所得補填制度を中心とした農政マニフェストの検証を行いたいと思います。
末永くお付き合い願います。
鉱山跡に「地底農場」計画 地下千メートル、活性化狙い
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/243385/
岐阜県飛騨市の地下約1000メートルにある神岡鉱山跡地に、光をあまり必要としないホワイトアスパラガスやウドを栽培する「地底農場」をつくる計画を、同市の企画会社「HIP」(林五月社長)が進めている。地域活性化にもつなげる狙いだ。
同社によると、現地は温度が14度前後で、湿度も100%近くと一定している。空調などの特別な設備が不要なことに加え、きれいな地下水が豊富にあるため、低コスト化も可能という。
また一般の野菜についても、消費電力の少ない発光ダイオード(LED)を光源に使って栽培することを検討しており、これらの計画を今月10日に、国の地域支援制度である「地方の元気再生事業」に申請した。
この「地方の元気再生事業」、主体は内閣府でして、
平成21年度「地方の元気再生事業」募集要領の公表について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/genki/090306/boshu.html
4月10日に公募が締め切られた事業なのですが、単に企画提案書を書いただけで(まだ競争結果も出ていない)、その内容を公表し、メディアがそれを拾うのは、ちょっと反則ですよ。幾ら「農業」が社会的なブームであれ、補助金ありきで事業計画書を作成し、もし補助金が下りなければ、実現可能性も低いビジネスモデルにもなり兼ねないこの事業、そんなやり方のPRがまかり通ったら、真面目に企画提案をしているところが報われないじゃないですか。大体、結果発表前に世に出てしまった今、「公平な審査」はできるんでしょうかね?記事化するメディアもメディアだし、自分達が住んでる地域だけが良くなればいいと思ってるこの業者も業者です。
次回エントリは、地域のエゴと「国」繋がりで
佐賀県が再調査チーム設置 未検疫「佐賀牛」輸出で
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/242396/
この話に触れてみながら、農産物の輸出時における必要な手続きと、諸外国における動植物検疫ついて述べてみようかと思います。佐賀県のこの問題、UAEで牛肉の輸入通関を切るときに必要な「ハラル認証」を受けていないにも関わらず、手荷物で持ち込んでしまい、また、(言葉は悪いですが)それがバレてしまい、更に、(言葉は悪いですが)問題発覚の初動時にドバイの総領事館のせいにしてしまったという、UAE-日本の二国間でいま、大問題となってる貿易トラブルです。
※ハラル認証とは
イスラム教の信仰において相応しくない農産物、具体的には、豚関連製品以外の全ての食肉製品は、その輸入時においてUAEより「ハラル認証」の取得の義務付けられており、その認証を受けていない工場から出荷される食肉製品は原則、UAEの輸入通関を切ることができません。
by 喜多川正臣
日本は環太平洋パートナーシッ…