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問題はコメの消費量なのか!?(「サイレント・ツナミ」が押し寄せてきた⑤)

2008/06/02 19:39

 

「減反しないで済む、若い人コメ食べて」首相、消費拡大訴え
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/149785

首相は「減反しないで済むようになれば、(食料)自給率は自動的に上がる。まずはそれをやりましょうよ」とも強調。減反見直しだけでは、価格が下がるおそれもあるため、まずは消費拡大が優先との考え方を示したとみられる。

どうも納得いかないのは、コメの消費量と食糧自給率はあまり関係ないことです。以下、平成18年度、カロリーベースの食糧自給率が39%のときにおける、品目別の自給率です。比較材料として、昭和40年度の数字もお出しします。

■平成18年度(自給率:39%)
果実:35%
大豆:25%
野菜:76%
魚介類:59%
砂糖類:32%
小麦:13%
油脂類:4%
畜産物:16%
コメ:94%

■昭和40年度(自給率:73%)
果実:86%
大豆:41%
野菜:100%
魚介類:110%
砂糖類:31%
小麦:28%
油脂類:33%
畜産物:47%
コメ:100%

減反政策の見直しや消費量が増えたところで、他の品目の数字を改善しない限り、カロリーベースの食糧自給率は一向に上がらない訳ですよ。唯一、考えられ得るのは消費が増えた場合、コメの自給率が100%を超えて、大豆や小麦の輸入過多を数字上のみ、隠せること。いまの計算方式では、生産量が増えれば、自動的に上がる食糧自給率ですが、そうやってイジる、数字に何の意味があるのでしょうか・・。自給率100%超えは、国内消費量以上に生産するということですから、飼料米として使うか、コメ関連の加工食品の需要を新たに喚起するか、輸出に回すしかないということを意味しますし、とてもじゃないけど、それをするには、国内農業市場全体にメスを入れるしかありません。

また、「守るべきは守る」と言い切ってるWTOドーハ・ラウンド」では、仮にも合意がなされた場合、重要品目が4~6%に制限され、コメの価格暴落が予想されます。恐ろしいことは、そういったケースへの処方箋が全くないというか、「守るべきは守る」のスタンスを崩してないんで、「守れなかった」ときの準備を全くしていないということ。農地の大規模化を促す経営安定対策のみだけでは決して乗り切りません。

イザでも記事化されたのですが(さすがです!)、ワシントン・ポスト紙では、日本のコメに関する保護政策に対して、ケチを付けられてる状態で、

同紙はさらに、日本のコメ農家に対する政府の手厚い保護が世界のコメ貿易をゆがめる主要因となっていると指摘、これに歯止めをかけるために、日本は米国などの国々から輸入するコメの消費拡大を検討する必要があると訴えた。

日本の輸入米放出「称賛」 米紙
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/148280/

これをキッカケに例えば、米シンクタンクのCenter fo Global Developmentにも指摘されてるように、

Which raises an important question: Japan had about 1.5 million tons of surplus imported rice at the end of last year. Tokyo has announced plans to sell 250,000 tons. What's going on with the other 1.25 million tons? Japan is reported to be entertaining proposals for some of it, but appears to be hesitating to make the full quantity available on the world market. While Tokyo should be commended for releasing some of its unwanted stocks to help alleviate this year's dizzy prices, clearly there is more that it can do ahead next week's high-level meetings of the U.N.'s Food and Agricultural Organization in Rome.

"Rice Prices Tumble But Remain Out of Reach for Many of the Poor"
http://blogs.cgdev.org/globaldevelopment/2008/05/rice_prices_tumble_but_remain.php

「ご飯をもっと食べてよ」と言い残して、ヨーロッパに向かう首相がいながらも、ローマで開催されるFAO主催の食糧サミットで、「東京(≒霞ヶ関≒永田町=日本政府)がすべきこと」として、不必要な備蓄米の開放が上げられるなど、日本はずいぶん叱られて帰ってくることが予想されます。

世界で起こる「サイレント・ツナミ」、食糧危機の時代に、逆にそれを煽って、農業保護化に正当な論拠を見出そうとしている日本政府。「いま」はいいです。僕たちの子供や孫の世代まで、食糧を安定的に提供できる「農業」であり続けるのでしょうか?食糧自給率は一度捨てて、グローバル化に対応しましょうよ・・。

カテゴリ: 政治も  > 経済政策    フォルダ: 農業

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コメント(10)

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2008/06/04 00:40

Commented by YomayoiNews さん

ご無沙汰です
・日本農業は農水省の人員を大幅に減らす
・農林議員を大幅に減らす
兼業農家を減らす

全農以下旧全糧連全米販・農協を解体する

むしろ大規模生産農家を中心とした農業事業者が流通も含めて自主管理する
その代りに、国内の米生産は徹底的に高級品に特化する


中国に農業租借地を儲け中国農業者と連携、水環境も含め徹底した品質管理を行い協同生産方式を取るのも一つありかなとも
昔の移民とは違い国際リロケーションという事でね・・・

そうすれば中国としても日本としても低価格高品質米を輸入可能となるし、中国としても輸出増加、その位考えてゆかないとダメかも

反面国内水田廃止後の地域の水利をどう管理するかが大きなテーマとなるでしょうが非工業化地域としての再生があるのではないかな・・・?

 
 

2008/06/04 12:32

Commented by 喜多川正臣 さん

bakaichiさん

コメント有難うございます。
ご質問頂いた件、真面目に答えて参ります。

> 日本農業は農水省の人員を大幅に減らす

これは農水省に限っての話ではありませんし、
省にも志高く、国益を追求してる方も多いですので、
人員削減は若干方向が違うのかなーと思います。

> 農林議員を大幅に減らす

政権交代まで待ちましょう。

> 兼業農家を減らす

これは間違いないですが、
それを減らせれる具体的手法が思い当たらず
またそのメリットもあまりないような・・。

> 全農以下旧全糧連全米販・農協を解体する

僕も以前まで農協解体!と言ってはいたんですが
やはり農業事業を始めてよく分かるのは、解体するよりも
農協を巻き込んで改革をしたほうが遥かに効果的というか。
未だに農協は地元経済に深く根ざしてるので、農協は大事ですね。

> むしろ大規模生産農家を中心とした農業事業者が流通も含めて自主管理するその代りに、国内の米生産は徹底的に高級品に特化する

輸出に回した場合に、やはり現状のコストだと
いくら質がよくても、量がさばけないようです。
また、高級品に特化してしまうと、
今度は国内消費者に負担が来るのでは・・と。

> 中国に農業租借地を儲け中国農業者と連携、水環境も含め徹底した品質管理を行い協同生産方式を取るのも一つありかなとも

http://www.jacom.or.jp/archive01/kensyo/01062901.html

実は総合商社が10年前からそれに着手しています・・。

> そうすれば中国としても日本としても低価格高品質米を輸入可能となるし、中国としても輸出増加、その位考えてゆかないとダメかも

ということで、既に商社のリードで
低価格高品質米をいつでも出荷できる状態にありまして
例えば、国内米の対中国輸出というのは、販売の拡大が見込まれず・・。

> 反面国内水田廃止後の地域の水利をどう管理するかが大きなテーマとなるでしょうが非工業化地域としての再生があるのではないかな・・・?

ここは勉強してみます!

農業事業で独立して間もなく一年。
ようやく色んなことが分かってきました。

 
 

2008/06/04 12:58

Commented by YomayoiNews さん

喜多川様
説明有難う御座います
というように一般の人間(非米作農業従事者)にとっては農業経済はあんまり見えていないようにも思えます・・

喜多川様の軍隊でもっと話(農業問題の国内・国際課題)を見えやすくする
努力がなされると情況も少しは変わってくるのでしょうけど・・・

 
 

2008/06/04 13:28

Commented by 喜多川正臣 さん

bakaichiさん

ふむ。ブログの中身も衣替えしようと思います!!!

 
 

2008/06/05 19:22

Commented by KL さん

こんばんは。KLです。大変ご無沙汰しておりますが(苦笑)

これは難しい問題ですね。日本は基本的に人件費が高いので、農産物で輸出を戦うのは
立地上の悪条件も加え、かなり厳しいものがあります。せいぜい、高級品という箔付けで、
ニッチ商品路線をとるぐらいなものでしょうか。

内需に特化するとしても、外国からの食物の方が当たり前に『安い』わけで、
「米国の牛は危ない」「中国の食べ物は全部ペケ」などと言いつつも、
結局はそれに依存しちゃっている・・・そんな状況が根強く見られます。
(ファミレスの食べ物が全部『国産』なんて愉快な幻想を抱く日本人は、何パーセントいるでしょうか)

いや・・・本当に、難しく、答えと思える意見が浮かびません。

 
 

2008/06/05 20:10

Commented by 喜多川正臣 さん

KLさん

こんにちは。コメント有難うございます!!!

常連コメンテーターのbakaichiさんのご意向もあり、
本ブログ、若干、中身の衣替えをしようかと思います。
実は僕、ここではとてもお堅い農業政策を分析しているんですが、
本業では農産物の輸出支援事業をやっておりまして、そのネタ、間もなく解禁します。

農水省が掲げる「平成25年までの輸出総額、1兆円」、真剣に目指しています。

その案件やるため、来週ぐらいからまた地方巡業です。
東京の自宅を出てから現地入りするまで、10時間ぐらいかかる国内です・・。

全ては気合です。

 
 

2008/06/07 09:19

Commented by YomayoiNews さん

常連の馬鹿です・・・・

農業っちのはわかり易いようで解り難いというのが本音です
食の基本であるが故の様々な網が見えるもの見えないものも含め
張り巡らされているイメージが強いのでしょうか・・・

そこを判り易く展開する(感覚に流されず、既存組織に阿ることなく)
農業国際化が進む中で守るべきもの、守りきれないもの
被害者意識を超えて農の再生、水の安全の力強い再生の一歩とならんことを
期待しつつ、オレーー!! El toreo valiente!!!

 
 

2008/06/07 09:29

Commented by YomayoiNews さん

連投失礼・・

あちこちで、だから出来ないは聞き飽きています
だから出来るのエネルギーがグングンと迫ってくる奴を!!
おねがいしまーす!!

 
 

2008/06/07 09:49

Commented by YomayoiNews さん

連連投・・・

後ね喜多川軍の若い連中の気迫が伝わってくるような・・・
若い連中が農業に希望と勇気をもって闘っている姿もここでもよそでも良いから、やって欲しいですね!
道は志あるものには必ず拓かれるという、後続者が増えるように・・

 
 

2008/06/07 19:18

Commented by 喜多川正臣 さん

bakaichiさん

お任せ下さい。「だからできないんだな~」というは僕も聞き飽きました。
できない理由を探すより、やれる道を見つける方がはるかに楽しいですよ!
と現場に入る日々です。

 
 
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2008/07/09 15:58

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